狼煙は通り名で、真名は鏡月。そして逢魔というもうひとつの名。白冰に渓谷で狼煙という名を聞いた時に、なんだか腑に落ちなかった。けれども逢魔という名を口にしてみたら、なんだかしっくりとくる不思議な感覚。
彼に、逢魔に、神子からの最後の言葉を伝えてあげないと······。
「あのね······金眼の鬼子に会ったら、って、神子が、言ってて」
身体を起こして、袖で涙を拭う。なに? と期待の眼差しで逢魔は続きの言葉を待つが、無明はその後の言葉を本当に伝えていいのか迷う。
「神子は、なんて言ってた?」
すっと目の前にしゃがんで、言葉の続きを待っている。それはまるで褒めてもらいたくてこちらを見上げてくる子犬のようで、ますます言いにくくなる。でも、伝えないと、と無明は心を決める。
「もう、······待たなくていいよって········ひとりでよく頑張ったねって、」
言い終えた後、逢魔がどんな顔をしていたか、無明は見る勇気がなくて俯いていた。そんな無明を包み込むように、衣の上からでも判るくらいひんやりとした冷たい身体が寄せらせる。
「そっか······神子らしい」
肩越しに耳元で囁かれたその声は、どこまでも優しかったが、いつものあの軽い感じの声音ではなかった。
「······俺はたぶん、君たちの神子の代わりにはなれないと思う。だから····ふたりとも、無理して俺の傍にいなくてもいいんだよ、」
ふたりを縛っていたものはもうどこにもない。制約も、約束も、ここにはもう存在しない。だからどうか、ふたりにはふたりの道を歩んで欲しい。
「もう、解放されて、いいんだ」
伝言を伝えた後のふたりの顔を見たら、それでいいのだと確信した。神子などいなくとも、ふたりなら生きていける。無明もまだ、自分がどうなるかなどわからない。けれども、ひとりでもなんとかなると思うことにした。
それなのに。
「私は、君の傍にいる」
「······どう、して?」
白笶は迷うことなくそんな言葉を口にする。逢魔も身体を離して無明の両肩を掴んだまま、俺も、と笑顔で言った。
「代わりだなんて、違うよ。さっきの言葉のおかげで気付いたんだ。俺はずっと記憶が無くなった神子を取り戻そうとしてたけど······間違ってた」
「え?······どういう、」
ごめんね、と逢魔は肩から手を離し、そのまま無明の腹に甘えるように抱きつく。その突然の行動に、思わず大きな瞳をさらに大きく見開き、首を傾げるしかない。
「ずっと、生まれた時から。あなたの傍であなたを見ていたよ? その横笛は始まりの神子から託されたもの。赤い飾り紐は、俺が幼い頃に神子から貰った髪紐を解いて作ったんだ。渡した時の記憶は、俺が消しちゃったから憶えていないと思うけど·······。あなたが危険な目に遭わないように、ずっと傍で見守ってた。だから、あなたがどんなひとか、俺はちゃんと知ってるよ?」
赤子の時から、ずっと、今まで。
"無明"を見てきたのだ。
「"あなた"を、守らせて?」
神子だから、ではなくて。
「······いいの? 俺は、ふたりが待っていた神子じゃないのに?」
「いいもなにも、俺たちがそうしたいって言ってるんだから、あなたはただ肯定してくれればいいんだよ。ね? そうでしょ?」
逢魔は腹から離れて、白笶に視線を送る。言葉数の少ない白笶は、ゆっくりと頷く。言いたいことはぜんぶ逢魔が代弁してくれた。
自分たちは気付かないうちに、無明を傷付けていたのかもしれない。
「君は、君のままでいい」
神子を守る華守。それが自分。それは永遠に変わらない。これから先もずっと、傍にいる。傍にいたい、のだと。
「······俺も、一緒にいたい」
たくさん泣いた。泣いたのは、いつ以来だったろう。それくらい、離れがたい想いが溢れてくる。こんな気持ちは初めてで、どうしたらいいのかも分からない。でも、これだけは言える。
「ありがとう、」
ふたりの手を取って、握りしめる。冷たい手と、あたたかい手。温度の違う手は、なんだか心地好かった。
「元の鞘に収まってなによりだが、大事な事を忘れていないか?」
太陰は遠慮なしにそう言って、本来の目的を思い出させる。白笶と逢魔が同時に差し出した手をそれぞれ取り、無明は一気に立ち上がった。
そしてなんとか夜明け前に、碧水の地に玄武の陣が展開された。
✿〜読み方参照〜✿
無明《むみょう》、白笶《びゃくや》、逢魔《おうま》、太陰《たいいん》、白冰《はくひょう》、狼煙《ろうえん》、鏡月《きょうげつ》
華守《はなもり》、碧水《へきすい》
碧水を訪れてから気付けばひと月半が過ぎていた。竜虎と相談したが、次の地は玉兎に決めた。出立は三日後。あくまでも元々の目的である修練のためという名目で、各地を巡ることになっている。「できた!」「ふふ。完成ね」 麗寧は完成した手作りの地図を掲げた無明を微笑ましく見つめながら、三日後にはここからいなくなってしまうことを残念に思う。毎日のように一緒に楽しくお茶をしたり、笛と琵琶を奏でたり、地図を書き足していくのは新鮮で、なにより無明が可愛くて仕方がなかった。「こうやってお茶を楽しむのも、一緒にお話をするのも、できなくなってしまうのね? そう思うと、とても寂しいわ」「俺も、麗寧夫人と遊べなくなるなんて寂しい。でも、また絶対に碧水に遊びに行くよ。そしたら今度こそ、みんなで一緒に市井で美味しいものをいっぱい食べようね!」 ええ、もちろん! と麗寧夫人は無明の手を包み、大きく頷いた。ああ、そうだわ!と大事な事を思い出す。「無明ちゃんに、私から贈り物があるの! これから夏になるでしょう? お父様にお願いして、特注で仕立ててもらったんだけど、」 急に立ち上がり、部屋の奥の方へ行ったかと思うと、麗寧夫人は腕に黒い衣裳を掛けて戻って来た。そして無明の前に立つと、ばっとその衣裳を広げてみせた。 広袖の薄い夏物の羽織は黒だが、左右の袖の下の部分にだけ、銀色の糸で描かれた小さな胡蝶が二匹と、山吹の花枝の模様が描かれていた。その中に纏う上衣は赤で、下裳は黒。帯は金の糸の刺繍が入った黒で、その上に飾る長綬と左右に垂らす短綬は臙脂色だった。「こんな高価そうなもの、俺が貰ってもいいの?」「もちろん! あと、夏用とお揃いの冬用の羽織もね! 無明ちゃんは白もとても似合うけど、黒の方が好きそうだったから。これは私に付き合ってくれたことと、白笶のお友達になってくれた感謝の気持ちなの」 衣裳を手渡して、満足そうに麗寧夫人は笑った。無明はそれを大事そうに胸の辺りで抱え、ありがとう、と頭を下げた。感謝をしたいのはこちらの方なのに。「白笶は私の本当の子ではないけれど、とても大切なひとたちの忘れ形見なの。だから、あの子をどうかお願いね」 麗寧夫人には真実は告げていない。白笶がなぜ無明たちと同行するのか、本当の理由は知らないままだ。「あと残り三日だけど、もう少しだけ私と一緒に遊んでくれる?
紅鏡。金虎の別邸。 明け方近くに遠く北の空に咲いた薄青に光る陣を見上げ、藍歌はひとり愕然としていた。この国の五大一族や術士たちにしてみれば、朗報でしかないあの希望の光は、藍歌にしてみれば絶望でしかなかったのだ。 光架の一族は誰もが知っている。神子の証である、特殊な痣。無明が生まれた時に、それは小さな身体に花でも咲いているかのように浮かんでいた。五枚の花びらが集まったかのような、そんな模様の痣だ。 それを見た藍歌はすぐにその痣を布で隠した。赤子を蝕む強い霊力は、宗主に頼んで特別な宝具で抑えることができた。そして何者にもなれないように、無明という名を付けた。もうひとつの名は、本人にだけ伝えてある。「結局、守れなかったのね、私は」 神子になどなって欲しくなかった。それは苦の始まりでしかないからだ。この十五年間、晦冥は何事もなく、かつての闇はもう消滅したのかもしれないと期待もしたが、結局、ただ神子が本当の意味で目覚めるのを待っていただけだったのだ。「あのまま、ここに閉じ込めておけば良かったの? いえ、最初からこうなる運命だったのね、」 ただ平穏に、無事に、生きていてくれれば良かったのに。「こうなったのは、私が愚かにも罠を見抜けなかったせい」 すべては点と点で結ばれており、物事には意味がある。(敵はすでに金虎の中に入り込んでいる、ということ) あの日からずっと、この時を待っていたのだろう。無明が力を解放し、他の一族たちの前でその姿を晒した時から。いや、もっと前からかもしれない。生まれたその瞬間から、こうなることは決まっていたのだ。「けれどもきっと、あの子なら、」 何者にもなれないということは、何者にもなれる可能性があるということ。そしてもうひとつの名が、無明に光を齎すだろう。 藍歌はゆっくりと瞼を閉じる。 祈るように。(どうか、あの子をお守りください) 眩しい光の欠片が東の空に顔を出す。 あの光は希望か、それとも。 動き出した歯車を止めることなど、誰にもできないと知りながら。**** 碧水。白群の白家。別邸。 清婉はあの騒動の間、負傷した術士たちの手当てを手伝ったり、薬を調合したり。とにかく休む間もなく内弟子たちに混ざって働いていた。内弟子たちはまだ実践に参加することは許されておらず、皆、もどかしい想いを抱えてるようだった。
事態が落ち着いた後、三人は今後のことを話し合った。神子であることをまだ認められない無明だが、神子である事実は変えられない。「逢魔は、俺を神子って呼ぶの禁止」「あなたの願いなら、従うよ」 とにかく神子ではあるかもしれないが、まっさらな状態ではどうにもならない。できることならあまり大勢には知られなくないし、崇められるなどまっぴらごめんだった。これまで痴れ者として自由気ままに生きてきたのに、急に態度を変えられてもこちらが困る。「辛いかもしれないけど、ふたりとも少しずつでいいから昔のことを教えてくれる?」「承知した」「うん、わかった。あ、でもいいのかな~。言えないこともあるかも?」 白笶を揶揄う目的のみで、逢魔は余計なことを口にする。「別にやましいことはひとつもないが?」 まったく動じることなく白笶が応えるので、逢魔は首を振って、相変わらず面白くないな、とぼやきながら肩を竦めた。「俺は、自分自身が神子として認められるようになるまで、そうであることをあまり知られなくない。できることなら、各一族の宗主以外には知られないようにしたいんだ」「白群では誤魔化すのが難しいかもね」「兄上は味方にしておいた方がいいだろう、」 余裕がなかった白笶は、ここに来る前に白冰に対して本音を口にしてしまっていた。あの玄武の陣を見て気付かないはずがない。隠したところで意味がないだろう。「うん、白冰様と竜虎には伝えるつもり。きっとふたりなら、今のままでいてくれる気がするんだ」 竜虎は真面目だが、きっと自分の願いを叶えてくれるだろうと無明は思っている。いつも喧嘩ばかりだが、いつだって最後は自分に譲ってくれたり、ひとつしかない菓子なら、半分に分けた時に必ず大きい方を自分にくれるような義兄なのだ。「どうでもいいが、そろそろ戻った方がいいのでは? それこそ色々詮索されてしまうだろう。話し合いならどこでもできるのだから、いつまでもこんな所にいないで、早く顔を見せてやった方がいいと思うんだが、」 ひと区切りついたところで、太陰は三人の間に割って入って来る。いい加減、ここから出て行って欲しいというのが本音だった。もちろん、神子だけはいつまでもいてくれてかまわないが。「太陰兄さんは根暗だから、ワイワイ賑やかにしてるのが苦手なんだもんね。ごめんね、気付かなくて」 こいつ······
狼煙は通り名で、真名は鏡月。そして逢魔というもうひとつの名。白冰に渓谷で狼煙という名を聞いた時に、なんだか腑に落ちなかった。けれども逢魔という名を口にしてみたら、なんだかしっくりとくる不思議な感覚。 彼に、逢魔に、神子からの最後の言葉を伝えてあげないと······。「あのね······金眼の鬼子に会ったら、って、神子が、言ってて」 身体を起こして、袖で涙を拭う。なに? と期待の眼差しで逢魔は続きの言葉を待つが、無明はその後の言葉を本当に伝えていいのか迷う。「神子は、なんて言ってた?」 すっと目の前にしゃがんで、言葉の続きを待っている。それはまるで褒めてもらいたくてこちらを見上げてくる子犬のようで、ますます言いにくくなる。でも、伝えないと、と無明は心を決める。「もう、······待たなくていいよって········ひとりでよく頑張ったねって、」 言い終えた後、逢魔がどんな顔をしていたか、無明は見る勇気がなくて俯いていた。そんな無明を包み込むように、衣の上からでも判るくらいひんやりとした冷たい身体が寄せらせる。「そっか······神子らしい」 肩越しに耳元で囁かれたその声は、どこまでも優しかったが、いつものあの軽い感じの声音ではなかった。「······俺はたぶん、君たちの神子の代わりにはなれないと思う。だから····ふたりとも、無理して俺の傍にいなくてもいいんだよ、」 ふたりを縛っていたものはもうどこにもない。制約も、約束も、ここにはもう存在しない。だからどうか、ふたりにはふたりの道を歩んで欲しい。「もう、解放されて、いいんだ」 伝言を伝えた後のふたりの顔を見たら、それでいいのだと確信した。神子などいなくとも、ふたりなら生きていける。無明もまだ、自分がどうなるかなどわからない。けれども、ひとりでもなんとかなると思うことにした。 それなのに。「私は、君の傍にいる」「······どう、して?」 白笶は迷うことなくそんな言葉を口にする。逢魔も身体を離して無明の両肩を掴んだまま、俺も、と笑顔で言った。「代わりだなんて、違うよ。さっきの言葉のおかげで気付いたんだ。俺はずっと記憶が無くなった神子を取り戻そうとしてたけど······間違ってた」「え?······どういう、」 ごめんね、と逢魔は肩から手を離し、そのまま無明の腹に甘えるように抱
玄冥山。玄武洞。 氷楔から解放され、そのまま倒れ込んできた無明を、白笶と狼煙が同時にそれぞれの腕で抱きとめた。狼煙はそのまま白笶に委ね、何も言わずに横に控えた。 白笶は大事そうに抱きかかえたまま、ゆっくりと地面に膝を付く。そして膝の上に頭を乗せて、無明の頬をそっと拭う。 涙。 それは拭っても拭っても流れてくる。狼煙は眼を細めて、その光景を見ていた。一体、どんな夢を見たら、そんな風になるのか。あの中で、何があったのだろう。「太陰兄さん、あの氷楔はなんなんだ? なんでこんな状態になる?」「私に当たるな。あれは神子たちが残したもの。私たち四神に託した記憶の欠片だ。契約の書き換えのための空間で、私もその内容は知らない」 しかし消えたということは、契約が終了した証。現に、太陰には自覚があった。「契約は結ばれた。神子の命で、いつでも陣を展開できる」「······結局、こうなるのか」 白笶は苦虫を嚙み潰したように顔を歪めて、無明の涙を拭い続ける。悠久の時の中で、神子を望んでいたはずだった。けれども、このひと月の間でその願いは変わっていった。(できることなら、神子としてではなくて······) ただ、普通に、生きて欲しかった。だが結局、流れは止められなかった。「無明?」「神子!?」 瞼が震え、ゆっくりと翡翠の瞳が開かれる。白笶と狼煙は同時に声をかけた。 無明はぼんやりとした表情で、視界に映るふたりを虚ろな眼で見つめる。頬を伝い続ける涙を自分で拭い、けれどもどうやっても止まらないので、顔に右腕を乗せたまま、暗闇の中で気持ちを整理する。(······俺は、神子なのかもしれないけど、でも、俺は、) 真実を、知ってもなお。それを認めたくない自分がいる。「大丈夫? どこか痛むの?」 狼煙が小さな子供のように、心配そうに声をかけてくる。 伝えてあげないと。 解放してあげないと。 でも、それで彼らは救われるの? ずっと、支えにしてきた者に、自分の事はもう忘れて、新しい人生を生きて欲しいなんて。もう待たなくていいよ、なんて。 そんな、残酷なこと。「······無明、」 名前。自分の、名前。けれど、本当の名は、誰にも言ってはいけないと藍歌が言った。なぜなのかずっと疑問だった。 どうして自分は、無明なのか、と。 白笶はそっと頭を撫でてくれた
竜虎は正直、頭の中がぐちゃぐちゃだった。この数年間、無明と仲良くなって、一緒にいて、自分がどうなりたいかをずっと模索していた。 妖退治の時も、遊んでいる時も、何気ない会話をする時も。いつだって無明は楽しそうで、ムカつくくらい色んな才能に溢れていて、それを思い知っては落ち込むこともあった。(けど、こいつは、いつだって······) いつだって、馬鹿みたいに無邪気な笑みを浮かべて、傍にいた。義弟であり、友であり、好敵手。そんな手の届くところにいたはずの存在だったのに、まさか数百年も眠っていた神子の生まれ変わりだったなんて。 華守は神子を守るために、かつては五大一族の中から一番強い術士が選ばれたという。しかし、前の神子が華守を自分の眷属にしたため、永続となった。永遠の輪廻だなんて、想像できない。 過程は話してはもらえなかったが、白笶があれほど無明に執着していた意味が、理解できた。(いったい、どれだけの時間をひとつの想いだけで生きて来たんだ?) 神子を待ち続けて、何度も輪廻を繰り返し、誰にも言わずに生き続ける。せっかく目覚めた神子は、すべてを忘れて生きていた、なんて。報われなさすぎるだろう。「俺も、今まで通りでいいん、だよな? 傍にいても、いいんだよな?」 このまま、旅は続けてもいいのだろうか。一緒について行ってもいいのだろうか。「当たり前だよ! 今まで通りっていったでしょっ! 竜虎と一緒じゃなきゃ、俺は嫌だよっ」 俯いていたせいもあり、竜虎は突然抱きつかれて息が止まるほど驚いた。無明は嬉しそうに弾んだ声でそう言って、ぎゅっと首にしがみ付いていた腕を強める。「馬鹿! 苦しいっ······離れろっ」「やだ! 離れないっ」 竜虎はこの光景を微笑ましく見られている気恥ずかしさと、心のどこかが締め付けられるような苦しさで、混乱する。けれども本当にいつものように無明が懐いてくるので、嫌がるふりをしながら困ったように笑った。(絶対に、守る。なにがあっても、俺が、) 白笶と視線が重なる。華守はひとりだけど、別に神子を守る者はひとりとは決まっていないはず。今のままでは足手まといでしかないが。「では、私は各宗主に知らせを飛ばす。白冰、お前は他の三家、術士たちや内弟子たちに上手く説明をしてやって欲しい。私より適任だろう。くれぐれも皆がこれ以上詮索しないよう